○御嵩町生活環境の確保に関する条例

昭和55年3月25日

条例第16号

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この条例は、別に定めのあるもののほか、住民が健康で快適な生活を営むことができる生活環境を確保するため、生活環境の破壊を防止し、より良好な生活環境を創造する基本的事項を定めるものとする。

(基本理念)

第2条 良好な環境の確保は、前条の目的が達成されるよう、次に掲げる事項に対する深い認識と自覚とに基づいて、その実現に努力を払うものとする。

(1) 自然と人間との健全な調和をはかりつつ、町民の健康で快適な生活を確保すること。

(2) 良好な環境は、その重要性の意義とともに、現在の町民に承継されること。

(3) 良好な環境は、町長、町民及び事業者のすべてが責務を自覚し、それぞれの理解と協力によって、はじめてその確保が実現されること。

(定義)

第3条 この条例において、次に掲げる用語の意義は当該各号に定めるところによる。

(1) 良好な環境 町民が健康で文化的な生活を営むことができる生活環境、自然環境、歴史、文化環境及び景観をいう。

(2) 生活環境 人の生活に関する環境をいい、人の生活に密接な関係のある財産或いは動植物及びその生育関係を含むものをいう。

(3) 自然環境 自然の生態系を構成する土地、大気、水及び動植物をいう。

(4) 歴史文化環境 郷土の歴史的文化的遺産及びこれを取りまく環境をいう。

(町長の責務)

第4条 町長は、すべての施策を施行するにあたって、この条例の趣旨にのっとり、つねに住民の良好な環境が確保されるように努めるとともに、各種の地域開発計画、都市計画、産業振興計画等の策定実施は、これに適合するよう必要な配慮を加えるものとする。

(住民の責務)

第5条 すべての住民は、この条例の趣旨を理解し、日常生活において互いにその環境を損なうことのないよう心がけ、進んでより良好な環境を創造するよう努めるとともに、町長、その他の行政機関が実施する施策に協力するものとする。

(事業者の責務)

第6条 すべての事業者は、この条例の趣旨を理解し、事業活動において生活環境等を損なうことのないよう配慮し、進んでより良好な環境を創造するよう努めるとともに、町の施策に協力するものとする。

第2章 生活環境の保全及び育成

(建設基準の遵守)

第7条 分譲を目的とした土地の区画形質の変更をともなう開発又は分譲建売、賃貸住宅等の建築若しくは開発用途の変更(以下「建設行為」という。)を行おうとする者は、別に定める要綱等を遵守するものとする。ただし、国又は地方公共団体が行う行為については、この限りでない。

(公共の場所の清潔保持)

第8条 何人も道路、公園、運動場、広場、河川、その他の公共の場所を汚損しないよう努めるものとする。

(し尿浄化槽の設置及び管理)

第9条 し尿浄化槽は、周囲の生活環境に汚染を与えるおそれのある地域では、設置しないよう努めるものとする。

2 し尿浄化槽の設置者は、維持管理の責任者を定めるなど、つねに適正な維持管理に努めるものとする。

(家庭排水の処理)

第10条 家庭排水は、汚水ます、ろ過地等立地条件に応じた設備を設置する等、河川、水路等を汚濁しないよう衛生的な処理に努めるものとする。

(燃焼不適物等の燃焼行為制限)

第11条 何人も、ばい煙、粉じん、有害ガス及び悪臭等を発するおそれのある物質を多量に燃焼させ又は放出しないよう努めるものとする。ただし、焼却炉の使用その他のばい煙、粉じん、有害ガス及び悪臭等の発生を最小限にする方法により、燃焼させる場合はこの限りでないものとする。

(家畜、家きん等の管理)

第12条 家畜、家きん等を飼養する者は、飼養管理者の責任において、必要な施設を整備管理するとともに、ふん尿等の適正な処理に努めるものとする。

(愛がん動物等の管理)

第13条 愛がん動物を飼養する者は、その動物の性質等に応じその動物が近隣住民に危害を与え又は迷惑を及ぼさないよう、飼育に努めるものとする。

2 不用となった愛がん動物は、飼育者の責任と負担において適正に処理するものとする。

(広告物等の処理)

第14条 広告物等の設置又は配布者は、つねに生活環境の美化と交通等の支障にならないよう最善の注意を払うとともに、設置期間に留意し、利用後は直ちに回収し事後の処理を速やかに講ずるよう努めるものとする。

(空地等の管理)

第15条 空地の所有者又は管理者は、その空地に雑草が繁茂し又は枯草、枯木が放置され、火災、病害虫の発生等のおそれのないよう適正に管理するものとする。

2 空地を物置場、駐車場等として利用し、又は利用させているときは、当該場所に置かれたものにより近隣住民に危害を与え又は著しい迷惑を及ぼさないよう必要な措置を講ずるものとする。

3 空地の所有者又は管理者は、その空地がゴミ類の捨て場所とならないよう適正に管理するものとする。

(農業用施設の管理)

第16条 ため池、野井戸又は野つぼの所有者又は管理者は危害防止のため必要な措置を講じ、適正な管理に努めるものとする。

(悪臭及び騒音の防止)

第17条 何人も、悪臭及び騒音の発生により、近隣の生活環境を妨げないよう努めるものとする。

(廃棄物投棄の禁止)

第18条 何人も、みだりに河川、水路その他公共の場所、山林、空地若しくは町長が指定した場所以外の土地に廃棄物を捨て又は放置するなどの行為をしてはならない。

(公害防止に関する協定の締結)

第19条 町長は、良好な生活環境を保全するため必要と認めるときは、関係事業者と公害の防止に関する協定を締結することができるものとする。

2 町長は、住民が関係事業者との間で公害の防止に関する協定を締結しようとするときは、必要な資料を提供する等これに努力するものとする。

(指導、勧告及び命令)

第20条 町長は、第7条から第18条までの規定に違反して住民の生活環境を著しく害し、又は害するおそれがあると認められる者に対して、必要な措置をとることを指導し、若しくは勧告し、又は命ずることができるものとする。

第3章 自然環境の保全及び育成

(動植物の保護)

第21条 何人も、自然に生息し、環境を害しない動物又は生育する植物を、その生息し又は生育する自然環境とともに保護するよう努めるものとする。

(自然環境の適正な利用)

第22条 何人も、自然の保護及び育成に対する認識を深めるとともに、自然環境を破壊し、又は汚損することのないよう適正な利用に努めるものとする。

(公共施設等の緑化)

第23条 町長は、緑地の確保に資するため、学校、保育園、公園、広場その他の公共施設の空地に花き類、又は樹木を植栽する等緑化の施策を推進するよう努めるものとする。

(保護樹木等の指定)

第24条 町長は、良好な環境を確保するため住民に親しまれ、又は由緒由来がある樹木或いは樹木を所有者、占有者又は管理者(以下「所有者等」という。)の同意を得て、保護樹木又は保護樹林(以下「保護樹木等」という。)として、指定することができるものとする。

(指定の手続)

第25条 町長は、保護樹木等を指定しようとするときは御嵩町文化財審議会の意見を聞くものとする。

(行為の制限)

第26条 何人も、保護樹木等を伐採し、若しくは損傷し、又はその保護に影響を及ぼす行為をしてはならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為はこの限りでない。

(指定の解除)

第27条 町長は、保護樹木等が滅失し、若しくは枯死し、又は特別な理由があると認めたときは、第24条に基づく指定を解除することができるものとする。

(通知)

第28条 町長は、第24条に基づく指定、又は前条に基づく解除をしたときは、その旨を所有者等に通知するものとする。

(開発行為の届出)

第29条 自然景観及び緑地並びに水源かん養のため、必要な山林等の確保に影響を及ぼすおそれのある地域内の開発行為については、第7条の規定を準用するものとする。

第4章 歴史文化環境の保全及び育成

(歴史文化環境の保全)

第30条 何人も、法令の規定に基づく指定を受けた文化財の歴史的文化財個性及び特質を失わないよう、その歴史的文化的環境の保全に努めるものとする。

(歴史文化環境の育成)

第31条 町長及び教育委員会は、由緒ある歴史的文化的遺産等を保全し、又は活用に努め、町民に親しまれる文化環境を育成するため、必要な措置を講ずるものとする。

(指導及び勧告)

第32条 教育委員会は、歴史的文化的環境を損なう者に対し、必要な措置をとることを指導し又は勧告することができるものとする。

第5章 景観の保全及び育成

(自然景観の保全及び育成)

第33条 何人も、飛騨木曽川国定公園その他緑に恵まれた町域の自然景観の特性を自覚して、その保全及び育成に努めるものとする。

第6章 補則

(報告)

第34条 町長又は教育委員会は、この条例の施行に必要な限度において、環境上の障害を生じさせ、又は生じさせるおそれのある者に対し、必要な事項を報告させることができるものとする。

(立入調査)

第35条 町長又は教育委員会は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に調査のため、現場に立入らせ説明若しくは報告を求め、又は関係者に対し、必要な指示、若しくは指導をさせることができるものとする。

2 前項の規定に基づく立入調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(公表)

第36条 町長は、第20条及び第32条の規定による措置命令に従わなかった場合においては、その者の氏名、その他必要な事項を公表することができるものとする。

(公表に係る意見の聴取)

第37条 町長は、前条の規定による公表をしようとするときは、当該公表処分を受けるべき者の出頭を求めて意見の聴取を行わなければならない。

2 町長は、前項の規定による意見の聴取を行おうとするときは、その期日の7日前までに意見の聴取の日時及び場所並びに公表処分をしようとする理由を当該公表処分を受けるべき者に通知し、かつ、意見の聴取の日時及び場所を告示するものとする。

3 意見の聴取に際しては、当該公表処分を受けるべき者又はその代理人は当該公表処分の内容について釈明し、若しくは証拠を提出し、又は証人若しくは参考人に意見を述べさせることができる。

4 当該公表処分を受けるべき者は、意見の聴取に代理人を出席させ、又は前項の規定により証人若しくは参考人に意見を述べさせる場合には、あらかじめその旨を町長に届け出なければならない。

5 町長は、第2項の通知及び告示をした場合において当該公表処分を受けるべき者が正当な理由がなくて意見の聴取に応じないときは、意見の聴取を行わないで公表処分することができる。

(平10条例16・一部改正)

(表彰)

第38条 町長は、良好な環境の保全及び育成に関し、顕著な功績があった者を表彰することができるものとする。

(環境週間)

第39条 町長は、良好な環境の確保に関する住民と事業者の意識を高め、知識の普及を図るため、環境週間を定めることができる。

(委任)

第40条 この条例施行について、必要な事項は別に町長が定める。

附 則

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 御嵩町生活環境の保全に関する条例(昭和47年条例第1号)は、廃止する。

附 則(平成10年条例第16号)

(施行期日)

1 この条例は、平成10年7月1日から施行する。

御嵩町生活環境の確保に関する条例

昭和55年3月25日 条例第16号

(平成10年6月19日施行)

体系情報
第8編 生/第5章 環境保全
沿革情報
昭和55年3月25日 条例第16号
平成10年6月19日 条例第16号